パンフレット全文

いよいよ、となりました。
最後のリハーサルは地元のホールで家族と。
今日まで少し不安もありましたが、もう大丈夫。と思いました。
たくさんの人にこの時間を共有して頂ける事、
本当に色々な協力があってコンサートを開催できる事に感謝です。
明日はのびのびとホールの響きを堪能したいと思います。
最後にパンフレットの文章をブログに記しました。
今回遠方や予定などで来られない方は残念ですが、
またいつかきっとそちらへ行くので待っていてください!
当日券も用意しておりますので、
もしまだ迷っている方は明日の夜サンポートホールでお待ちしております♪
(当日は駐車場の混雑が予想されます。少し時間に余裕を持ってお出かけください)
ではでは!

naoshima1
   - 瀬戸内の音景へ寄せて –
 記念すべき第一回目となるコンサートへご来場頂きありがとうございます。自身の音楽の始まりはきっと、楽譜とは別に、自宅のピアノでぽろぽろと、何でもないような音を弾いては遊び考え事をしたり、何か辛いことがあった時にはピアノを浴びて音楽に救われていたように思います。以来、エレクトーンを習ったりバンドをしたり音楽学校へ行き、色々な道を進んでは悩み、ある時即興演奏に出会います。「ほんの少しの音でいいから本当に感じる音だけを弾いてみて」そう言われてやってみて、自分の内から音楽が生まれてくる事を知りました。
 2009年の夏、青春18切符を使った一人旅をふと思い付いて、行き先は天橋立。のつもりが、友人のアドバイスで出発の前日に直島へ変更。今でもよく覚えているのは「美術館から屋外へ出た瞬間に広がる絶景」「夜の波の音と島の風景」それが瀬戸内との最初の出会いでした。こういう土地に住んだらどういう音楽が生まれるのだろうと、海辺で物思いにふけ、生まれた「naoshima」という曲があります。翌年の夏、今度は演奏のために高松へ訪れます。このときは人とそして新しい風景と出会い、改めて感じることが多く「earth」という曲が生まれました。
 初めてのソロライブは2011年2月、大阪のくらやみカフェ。当時は一人でライブをするなんて考えてもいませんでしたが「この場所ならできそう」と、開催しました。その後しばらくして、大阪を離れる事を決めていたので、それまでのまとめと感謝を込めてアルバムを作りました。1枚のアルバムのつもりが、ホールでの即興演奏がたくさん生まれたので、オリジナル曲を集めたスタジオ録音を「earth」即興演奏を集めたホール録音を「air」それらをピアノソロ2部作として2012年にリリースすることにしました。
 そして同じ年の春、香川県へ移ります。アルバムのリリースツアーを終え、新しい生活にも慣れてきたその翌年、そろそろこの地で生まれる音楽ができればと思っていた頃、瀬戸内の島の音楽を制作する機会を頂きました。ちょうど同じ時期、屋外で演奏する機会があり、自然が教えてくれるものを感じ、自分の音楽に少し変化がありました。
 今年の2月にリリースした「home」というアルバムは、瀬戸内国際芸術祭2013、高見島「海のテラス」の空間音楽を依頼された際、島の小学校に眠っていた一台のピアノに出会い、そのピアノとともに作曲、窓を開けて鳥の声や島の音とともに録音したものです。改めて土地から生まれる音を見つめ直してみたいと、今回のコンサート開催を決めました。
 ホールコンサートを迎えるにあたり、いくつかの準備がありました。コンサートを2部構成にして、後半に映像を投影します。今回の撮影は身近な風景、そして最後に直島へ行ってきました。写真と動画を編集しておよそ45分の映像が完成しました。3月からは県内をめぐるライブツアーを開催。人や場所と出会い、それぞれの会場で生まれる曲もあり、改めてホールコンサートで実現したいことを見つめる事ができました。
 コンサートでは今までの3枚のアルバム曲をはじめ、ツアーで生まれた新曲、もしかしたらスタンダード曲、そして即興演奏を、ホールならではの静寂の響きの中で聴いてみたいと思います。
 瀬戸内の風景、生まれ育った土地、人との出会いがなければ聞こえなかった音があること、そして沢山のご協力があって今回のコンサートを開催することが出来ました。今日に繋がる全てのご縁に感謝します。
2014年5月17日 橋本秀幸