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レコーディングについて

今回のアルバム全てのエンジニアリングは森崇さん(BOSCO MUSIC)にお願いしました。
聴き返すたびに、本当にこの人にお願いしてよかったなぁ、森さんすごい!と思ってしまいます。

12/26 studio BOSCO
スタジオのピアノはYamaha Grand piano C1 (customized)
小さなピアノと適度な部屋の響きでとても豊かな音がします。
約6時間の録音では、オリジナル曲を中心に即興を少し。
1曲ずつ、ではなく流れの中で録っていきました。

12/27, 28 栗東さきら小ホール
ホールのピアノはFAZIOLI F278
この日は昨日録りこぼした曲と即興を沢山録っていく予定。
微妙なタッチと録音を聴きくらべながらようやく理想の質感へと。
その後はひたすら2日間かけて録音していきました。

本当に貴重な体験。
素晴らしい音で録って頂き、
今回真剣にレコーディングをしたことで、
自分が音に求めているものがはっきりしてきました。

ピアノの状態も素晴らしく、
とても繊細・敏感で、奥深さを実感しました。

その結果3日間で計128テイク、即興曲だけでも40曲近くできてしまいました。
そしてこのホールで録音した即興がなんとも言えない…
この場でしか生まれなかったようなものだったので、この即興中心のアルバムを作りたいと…
オリジナル曲中心のスタジオ録音、即興演奏中心のホール録音という2枚のアルバムを作る事に。
2枚組にしようか1枚ずつにしようか、別々なら同時発売か時期をずらすか、それならどちらが先かという事は悩みましたが、今のような形でようやく発表する事が出来ました。

収録曲について「earth」

曲順については…夢の中と現実と行き来するようにイメージしました。
リアルな夢であったり、夢のような現実であったり、その境界線であったり。

1.prologue
元々はタイトル曲「earth」の前奏曲をイメージして即興で弾いたものでした。
採譜してスタジオで弾き直しました。

2.klock
アルバムの中では一番歴史ある曲で、黒鍵だけのメロディーで出来ています。
鍵盤の「クロ」と、時計(振り子)のような「clock」をかけています。
(ハンガリーの映像作品「Elfolyó Ég」に提供しました)

3.Hikari
これはレコーディング終盤での完全な即興演奏で、
「一日お疲れさま」という感じで…蛍の光のような感じがしました。
アルバムの中でもお気に入りの即興演奏です。

4.pop
これはちょっとどうやって作曲したのか覚えていません(笑)

5.elephant walk
セロニアスモンクに捧げたような気がします。
(JJazz.Netにて選曲されました)

6.Mai
これはレコーディング中盤での即興曲ですが、ちょっとそろそろ飽きてきたし、
スタッフもみんな飽きてきてるんじゃないの?笑 と、気分を変えて弾きました。
(オランダのコンピレーションCD「Mind The Gap」に提供しました)

7.naoshima
これはタイトル通り直島に行った時に。
寝る前にテントの近く海辺に腰掛けながら…ここにはjazzもpopsも合わない気がして、
この土地にはどんな音が合うんだろうと生まれた曲です。

8.Rin
これも即興曲です(大文字で始まる3曲が即興演奏です)
studio BOSCOの窓から見える雪を感じながら弾いたように思います。

9.fake
自宅で即興で弾いたものを採譜してスタジオで演奏しました。
かなり変わった即興だったのでニュアンスを再現するのに苦労しました。

10.core
これはおそらくある日ライブを観に行って影響を受けてできた曲です。
coreというのは地底のマグマ?のイメージで、音はそんなに激しくないですが。

11.a petal
花びら(ドライフラワー)を見ていて、
見る角度によって全然違うなあと思って、そんなメロディーが出来ました。

12.loops
これは元々は打ち込みで作っていた曲で、比較的新しい方の曲です。

13.earth
2年前に四国へ訪れた時に色んなものを受け取ってまた手放してきたように思うのですが、
その後帰ってきて数日後にピアノを弾いて生まれた曲です。元々は英詞があったり、
大串半島という瀬戸内海を一望できる島があってそこのイメージも感じます。
(JAlの機内オーディオに選曲頂きました)

14.grounding
元々はとある歴史ある山のケーブルカーの音楽として作りました。
その話は流れてしまったのですが、このアルバムの最後に入れたいと思って収録しました。
(ハンガリーの映像作品「Mögötted/Behind」に提供しました)

2012.06.20 release “eath” special website

2枚のアルバムについて

元々は1枚の初めてのオリジナルアルバムを作ろうと。
2011年の2月にソロ活動を始める前からその構想はありましたが、
アルバム制作を行動に移したのはその年の秋の事でした。

ある日名古屋で演奏する機会があって、その日の手応えと直感から、
今回のエンジニアに(ちょうど夏頃に出会っていたので)電話をしました。

それからは収録曲の選定とデモの作成、どういった作品を作るかを練っていきましたが、
とても迷っていた事があって、スタジオで録るのかホールで録るのか。ということでした。

エンジニアの森さんも、できるだけ下見に行ってみよう。と言ってくださり…
いよいよ下見へ回ってその中でも一番気になっていた「さきらホール」というホールがあり、
でもここでは試奏出来ないはずだったのですが…なぜか行ってみると弾かせてもらえて(!)
最初に弾いたFAZIOLIというイタリアのピアノに一弾き惚れ…してしまいます。
ほかにもヤマハ、スタインウェイ、ベーゼンドルファーなど弾かせてもらえたので、
「ベーゼンは違うなぁ」とか言いながら(笑) 森さんも、FAZIOLIには好印象だったようです。

実はその後も、スタジオで録るのかホールで録るのか。と迷っていました。
スタジオの音の良さは既に知っていてその質感も捨てがたかった。
ホールの方はというとかなり未知数だったわけで。

僕は何を思ったのか「両方で録ります!」と宣言をして。
スケジュールを合わせてみたら、年内最後のホール閉館日とその前日だけ予定があって。
そのさらに1日前をスタジオ録音することにして、3日間のレコーディング日程が決定しました。

スタジオとホール、2つの質感を合わせて1枚のアルバムにしようと思っていたのですが。
まさか2枚のアルバムができるとは、録音を終えるまでは全く想像していなかったことでした。