2枚のアルバムについて

元々は1枚の初めてのオリジナルアルバムを作ろうと。
2011年の2月にソロ活動を始める前からその構想はありましたが、
アルバム制作を行動に移したのはその年の秋の事でした。

ある日名古屋で演奏する機会があって、その日の手応えと直感から、
今回のエンジニアに(ちょうど夏頃に出会っていたので)電話をしました。

それからは収録曲の選定とデモの作成、どういった作品を作るかを練っていきましたが、
とても迷っていた事があって、スタジオで録るのかホールで録るのか。ということでした。

エンジニアの森さんも、できるだけ下見に行ってみよう。と言ってくださり…
いよいよ下見へ回ってその中でも一番気になっていた「さきらホール」というホールがあり、
でもここでは試奏出来ないはずだったのですが…なぜか行ってみると弾かせてもらえて(!)
最初に弾いたFAZIOLIというイタリアのピアノに一弾き惚れ…してしまいます。
ほかにもヤマハ、スタインウェイ、ベーゼンドルファーなど弾かせてもらえたので、
「ベーゼンは違うなぁ」とか言いながら(笑) 森さんも、FAZIOLIには好印象だったようです。

実はその後も、スタジオで録るのかホールで録るのか。と迷っていました。
スタジオの音の良さは既に知っていてその質感も捨てがたかった。
ホールの方はというとかなり未知数だったわけで。

僕は何を思ったのか「両方で録ります!」と宣言をして。
スケジュールを合わせてみたら、年内最後のホール閉館日とその前日だけ予定があって。
そのさらに1日前をスタジオ録音することにして、3日間のレコーディング日程が決定しました。

スタジオとホール、2つの質感を合わせて1枚のアルバムにしようと思っていたのですが。
まさか2枚のアルバムができるとは、録音を終えるまでは全く想像していなかったことでした。